ゼンハイザーのボーカルマイク、E945です。今回はご依頼主様自らデザインしたロゴ入れも承りました。
本体の色は「極力純白で」と言う事でSTANDOX原色の白(MIX570)を単色とし、ロゴはゴールドメタリックを塗装で行います。データはイラストレーター形式のファイルをそのまま入稿して頂きました。
かなり細かいのでデカールでの対応も想定していましたが、カッティングシートの作成が出来ましたので塗装で対応します。
足付け処理を行い、マスキングをしたら台にセットします。
グリルボールはペーパーだけだと細部まで足付け処理が出来ないので、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを併用して作業しています。
ベースコートの白を塗り、マイクの中心にロゴとネームのマスキングシートを貼り付けます。
ゴールドの作り方は3種類あって、一つは以前施工したS-WORKSの自転車フレームのようなキャンディーカラーと、もう一つは元々ゴールド色に着色されたメタリック原色を使う事(STANDOXの場合はMIX806で、DUPONTだとAM78)、他にはシルバーメタリックと黄色を混ぜて作る方法です。
今回は着色されたゴールドメタリックを使う予定だったのですが、それだと少々クドイ感じがしたので、粒子の細かいSPFシルバーメタリックとイエローも使って上品なゴールド色を作ってみました。
SPFシルバーに黒以外の原色を混ぜて使うのは初めてなので、一応先に色見本に塗って様子を見てから本塗りをしています。
最後にマスキングを剥がし、クリアーを塗って本塗り完了となります。
白は原色そのままだと隠ぺい力が弱いので、下塗りには黒やオーカーなどが混ざった白を塗ってあります。
その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、数日寝かしたら完成となります
白は純白で、ゴールドは上品な色味に仕上がりました。
まるで結婚式場で使われるような上品な配色となっています。
よく見ると、ト音記号の形などに多少ガタつきがあったりするのですが、その辺がまた手作りっぽくてとても良い感じだと思います。
シルバーメタリックとイエローを混ぜただけだとシャンパンゴールドっぽくなりがちですが、着色ゴールドメタリックも入れた事でゴールドの力強さも残せたと思います。またSPFシルバーの細かい粒子感のお陰で上品にも仕上がっていると思います。
マイクの塗装のご依頼では比較的早めの納期を御希望される方が多いのですが、納期のご指定(短縮)は別途オプション費用(総額の3~5割)が必要となりますので、出来るだけ余裕をもってご依頼頂ければと思います。通常の納期は一ヵ月~一か月半くらいが目安となります。